この記事ではこれらの疑問に答えていきたいと思います。
なお文字数が1万字を超えたのでかなりの長文です。
もちろんはじめからじっくり見てくれると嬉しいのですが、該当する科目だけ見たい人もいると思います。
目次から見たい科目をクリックすることで簡単に該当場所に飛ぶので利用してみてください。
薬剤師国家試験の勉強法やスケジュール例、勉強に役立つツールを紹介しています。
目次
【共通】国家試験全体の勉強法
【共通項】問題演習が一番早い
結論からいうと問題を多く解くことが一番の早道です。
青本を1から順番に読んで学習するのは非常に効率が悪いです。
そのため知識がゼロに近くても問題を解きましょう。
実際私もほぼ知識ゼロでした。
しかし過去問6年かつ国試がわかる本をやり終えたころには、基礎知識、応用知識もつきました。
もちろん分からないところは青本や教科書を使い理解していきます。
問題→参考書という流れが一番いいですね。
ただ例外があり物理や化学などは基礎知識がなければ入門書を読んでから問題を解きましょう。
はじめに5~7年分の過去問を解く
はじめにこれまでの過去問を解きましょう。
直近から解くとどのような形式か見ることができるのでオススメです。
最近は長文問題や図から読み解く問題も多く出題されているのでチェックしておきましょう。
国試がわかる本を解いてさらに知識をつける
過去問演習が終わったら「国試がわかる本」などを使ってさらに問題演習しましょう。
今回は「国試がわかる本」を推奨したのですが、薬ゼミの「領域別問題集」でもかもいません。
私は「国試がわかる本」のほうが解説が詳しいのと、良問を厳選していたのでそちらを解きました。
基本的に過去問演習と「国試がわかる本」をすべて理解できたのなら後はやらなくてもいいと思います。
後は苦手分野などを勉強したほうが効率がいいです。
苦手分野は青本で確認する
青本は苦手分野の理解のために使用しました。
問題の解説だけでは理解できなかったり、周辺知識も一緒に覚えたいときに青本は便利です。
また場合によっては教科書のほうがわかりやすいこともあります。
その辺は相性にもよるので自分に合った方法を選びましょう。
苦手分野はマインドマップでまとめる
青本を読んでいてもなかなか理解できない場合はマインドマップにまとめましょう。
まとめノートをつくのもいいと思うのですが、時間がかかるしめんどくさいので私はやりませんでした。
しかしマインドマップなら慣れればすぐに書けるし、気づきも得られるのでオススメです。
マインドマップは紙に書いてもいいのですが、アプリを使うのもいいと思います。
私は「mindmeister」というアプリを使っていました。
現在はAyoaのマインドマップと併用しています。
物理の勉強法
正直な話物理はかなり苦手でした。
今でもそこまでできていないのが現状です。なのであまり信ぴょう性がないかと思いますが、参考程度に見てもらえると嬉しいです。
基本は問題演習だけど例外あり
ここはほかの科目と変わりませんが例外があります。
まず物理は物理化学などの理論系と分析・放射など暗記系の2つに分類されます。
分析・放射など暗記系の項目はいきなり問題演習しても問題はありません。
しかし物理化学の知識が全くない人がいきなり問題演習をやっても勉強が進まず、物理を後回しにしてしまうリスクもあります。
そういった場合はまず青本や入門書を読むことから始めましょう。
時間がない人は、最低限分析・放射の科目は理解しておいたほうがいいです。
過去問演習が終わったら国試がわかる本などを使いさらに問題演習しましょう。
理論編 物理化学
ここはかなり難しいです。
暗記科目ではなく理解する必要があるため他の科目と比べても難易度が高いです。
そのため物理化学をマスターしたいのであれば4月から少しずつ勉強するのをオススメします。
まったく知識がない場合9~10月にはじめても間に合いません。
※他の科目が完璧で後物理だけなら間に合います。
ただ300点以上を目指さない限り完璧にやらなくてもいいと思います。
実際私は過去問演習しかしませんでした。
必須問題や基礎知識だけ知っとくだけでもある程度点数は取れます。
本番はそんなに取れなくても大丈夫です。
一応スケジュールの例を紹介しておきます。
まず過去問演習でどんな問題が出題されているか確認しておきましょう。
わからないところは青本を見ていたのですが、青本だけでは理解できないところも多かったです。
そこで使ったのが、スタンダード薬学シリーズの物理。
この本はSBOごとに内容が分かれており、内容も豊富でわかりやすいです。
ただ分量が多く物理だけでも3冊あるので時間がある人以外は使わなくていいと思います。
物理を極めたい人や興味がある人は買ってもいいかもしれませんね。
もし買うんだったら「物理系薬学〈1〉物質の物理的性質 (スタンダード薬学シリーズ2)」だけでいいと思います。
【暗記編】分析・放射
ここは物理化学に比べると簡単です。
時間がない人はここだけに絞って勉強するのもありですね。
基本は過去問演習をして理解し、わからないところは青本などを使って理解しておけば大丈夫です。
放射は衛生の科目でも出題されるのでよく勉強しておきましょう。
分析は実務と連携して出題されることもあるので実務と一緒に覚えるといいですね。
分析・放射は暗記系が多いのでQuizletやAnkiを使って覚えるのもいいですよ。
- 基本は問題演習
- 物理化学は理解に時間がかかるので早めに勉強する
- 最低限分析・放射は理解しておく
化学の勉強法
化学は暗記科目ではなく理解しなければ解けない問題が多いです。
基礎知識をつけるだけでも長い期間が必要になるので対策は早めに行いましょう。
知識がなければ入門書を読もう
化学についてもほかの科目同様、問題演習からはじめることをオススメします。
しかし物理の時にも言いましたが、基礎知識がまったくない状態でやっても問題演習だけでは理解できないことが多いです。
基礎知識がない人はまず入門書からはじめて概要をざっとつかみましょう。
オススメ本は「有機化学(第2版) (ベーシック薬学教科書シリーズ)」です。
この本はなんといっても読みやすい。
後述する「マクマリー有機化学」はイラストも豊富で詳細な知識も学べるのですが、分量が多すぎて挫折しやすいです。
実際私もマクマリー有機化学を使って勉強していたのですが、1冊を仕上げたところで挫折してしまいました。
しかし本書は初学者にもわかりやすく、分量も適度にあるので大変オススメしています。
本書を読んで理解できたのであれば有機化学の基礎はしっかりつきます。
ただ問題数が少ないので、そこは過去問演習をしたりしてアウトプットしましょう。
さらに問題演習をしたいのであれば後述する「有機化学演習―基本から大学院入試まで」をオススメします。
基礎がついたら過去問演習をしよう。
有機化学(第2版) (ベーシック薬学教科書シリーズ)を読んで知識がついた人やもともと有機化学が得意な人は過去問演習をしていきましょう。
過去問演習は5~7年分行った後に、国試がわかる本や領域別問題集を解き終えたら有機化学はかなり得意になっていると思います。
残った時間は模試の復習をしたり、薬ゼミなどの問題集を解くのがいいと思います。
苦手範囲は教科書を使おう
化学は物理と同じように理解しなければ解けない問題が多いです。
わからない問題や項目が出てきたら教科書を使って理解してみましょう。
青本でもいいのですが、青本は最低限度のことしか書かれていないので完全に理解するには難しいと思います。
化学を総復習したいなどの場合、青本は結構便利でした。
オススメ教科書はさきほど紹介した「有機化学(第2版) (ベーシック薬学教科書シリーズ)」と「マクマリー有機化学」です。
マクマリー有機化学は反応機構が詳細に書かれているため、どういった経路を経て合成されるのかを視覚的に学べます。
またカラー印刷なのでよみやすかったです。
ただ2つの書籍も結構高価なので迷ったら有機化学(第2版) (ベーシック薬学教科書シリーズ)だけでいいと思います。
あとは大学で実際に使った教科書で代用するのでも大丈夫です。
医薬品の構造式関連問題は「くすりのかたり」を読んで理解しよう
実務の化学では医薬品も構造式を見てどのような特徴があるかなどを問われることがあります。
こういった問題は毎年出題されている傾向があるので対策は必須です。
対策方法としてオススメな本は「くすりのかたち-もし薬剤師が薬の化学構造式をもう一度勉強したら」です。
本書は薬がどのように効いているのか化学や構造式から読み解く本になっています。
分量は少ないのですが、内容は濃くかなりの知識を学べます。
薬理の勉強にもなるし、薬剤師になってからも使える知識なのでぜひ一度読んでほしい本です
生薬は音楽を使って覚えました。
生薬についても少しだけお話しておきます。
生薬関連の問題はあまり出題されませんが、まったく出題されないわけではありません。
最低限生薬の名前と科名は覚えておきたいところです。
オススメはYouTubeで公開されている生薬の科名の覚え方 by 響野ユカ【「雪の華」の替え歌】です。
雪の華のメロディーに沿って生薬名と科名を覚えられます。
通学中に聞いたりすると自然と覚えていくので隙間時間に聞いて覚えましょう。
あとは語呂合わせを使って覚えるのもいいですね。
おまけ さらに問題演習をしたいなら有機化学演習―基本から大学院入試まで
さらに問題演習をしたい人は「有機化学演習―基本から大学院入試まで」を使って問題演習をしましょう。
内容は基礎的なものから大学院入試まで幅広く問題があります。
ここに出題されている問題が解けたら国家試験の反応関係の問題は楽に解けると思いますよ。
しかし解説も一応ありますが、詳細な解説はないので基礎知識がない人は難易度が高いでしょう。
生物の勉強法
生物は難易度にばらつきがあり、対策が難しいです。
さらに問題文から読み解く形式の出題も多いので読解力も必要になります。
生物などの基礎科目については早めに対策することが重要です。
基礎知識を学ぶために問題演習をする
基本は問題演習をしましょう。
過去問を5~7年分解きます。過去問演習は問題形式の把握や基礎知識の取得に役立ちます。
さらに国試がわかる本などを使い、問題演習をすれば知識のもれがなくなると思います。
例外的に基礎知識がない人や苦手な人は教科書を使って勉強しましょう。
生物については青本を読めば基礎知識はつきます。
マインドマップを使って関連性を見つける
生物は覚えることが多いのでマインドマップを使って勉強することをオススメします。
さらに生物は薬理と関連性が高いので一緒にマインドマップを使って勉強すると効率がよいです。
画像はマインドマップの例です。
図や実験問題などに対応できる力をみにつける
生物でも図や実験などから判断する問題が出題されています。
知識だけではなく、思考力、判断力、読解力なども必要になり難易度が高くなっています。
図や実験問題を解けるようになるには多くの問題に触れるのが一番です。
最近の国家試験の過去問を解いたり、薬ゼミなどの予備校で作られた問題を多く解いて慣れておきましょう。
また読解力は普段から読書をしていると自然とついてくるのでオススメです。
解剖学はアプリを使うとわかりやすい
解剖についてはアプリを使って視覚的に勉強するとわかりやすいです。
105回の国家試験では腎臓の模式図から腎盂の位置を解答させる問題が出題されました。
【参照】第105回薬剤師国家試験必須問題問11
今回の問題では場所を知っていなければ解けないです。
そのため主要な臓器や部位については暗記しておくことが大事ですね。
そこでオススメなアプリとして「ヒューマン・アナトミー・アトラス」です。
「ヒューマン・アナトミー・アトラス」は3D人体模型アプリであり、解剖学を学ぶのに大変役立ちます。
例えば105回の必須で出題された腎盂についてアプリを使ってみてましょう。
こんな感じに場所を立体的に把握することができます。
さらに臓器の役割や働きなどの情報も書いてあり勉強に役立ちます。
ただ通常価格は約3000円と高額です。
運よくセールが来れば120円で買うこともできます。私は120円の時に買いました。
次回のセールがいつくるか不明ですが、逐一チェックしておくことをオススメします。
ほかにも複数のアプリがあるのですが、迷ったら今紹介したアプリだけで大丈夫です。
免疫学はイラストが豊富な教科書を使うと理解しやすい
免疫学はイラストがあるとかなり覚えやすいです。
文章だけでもある程度理解することはできますが、イラストがあるとより効果的です。
オススメ本は「休み時間の免疫学」。
本書は図が豊富であり、免疫学の全体像を把握するのに役立ちます。
本書を理解できたのであれば、基礎的な内容はできているので、あとは過去問演習をしてアウトプットしましょう。
ちなみに病気がみえるシリーズの免疫vol.6 免疫・膠原病・感染症もイラストが豊富でわかりやすいです。
免疫学をしっかり学びたい人は休み時間の免疫学、病態も学びたいとは病気がみえるを買うのがいいと思います。
- 図や実験から読み解く問題を多く解いておく
- 解剖学はアプリを使うとわかりやすい
- 免疫学はイラストが豊富な教科書を使うと理解が深まる。
衛生の勉強法フローチャート
衛生は範囲が広くかつ覚える量も多くてかなり大変です。
さらに最近では構造式を用いた問題も出題されているので難易度が高いです。
今日は衛生の勉強法について紹介していきたいと思います。
化学物質の生体影響は難易度が高い
衛生の中で化学物質の生体影響の項目はややこしくて難易度が高いです。
薬や化合物の代謝の流れや毒性など覚えるのが大変です。
さらに構造式を見て解く問題もあるのでさらに難易度が上がります。
そのため化学物質の生体影響を勉強する際は、まとまった時間でやりましょう。
薬剤の代謝と一緒に勉強すると理解が深まると思います。
最初から問題を解いて勉強もいいのですが、問題の解答を見てもわからない場合は青本などの参考書を使って勉強しましょう。
オススメはマインドマップでまとめて覚えることです。
マインドマップを使えば自分なりに関係性を見つけることができ、理解しやすくなります。
構造式の勉強法
私自身構造式を見るだけで問題を解く気力がなくなるくらい嫌いでした。
しかしポイントを絞って勉強すればそんなに暗記することはないことに気が付きました。
まずはじめに化学の勉強をさきにしておきましょう。
びっくりしたかもしれません。しかし化学の勉強をしていた方が構造式は覚えやすいです。
とくに化学の命名法や官能基、医薬品のコアとパーツの勉強をオススメします。
たとえばカルバメート系農薬に重要なカルバモイル基とは何か、特徴は何なのかは化学を勉強すれば学べます。
これらの知識を理解できたなら、構造式を実際にみて学びましょう。
化学の勉強がひと段落したら実際に構造式を見てみます。
構造式を丸暗記するのは大変だし、時間がない人はムリでしょう。
※余裕があればいいのですが…
しかしたいていの構造式は、一部分だけを見ればなんとかなります。
例を挙げてみましょう。
第103回薬剤師国家試験問133
この問題は解けるでしょうか。
答えは2.5です。
解説を少しだけしますね。
まずアセチルコリンエステラーゼ阻害作用を示す農薬は何なのか考えます。
すると有機リン系農薬とカルバメート系農薬が考えられます。
ここまでは多くの人がわかるかもしれません。
ここからがポイントです。
有機リン系農薬はリン酸エステル、カルバメート系農薬はカルバモイル基を有しています。化学の勉強をしていればすぐにわかりますね。
4は有機リン系農薬に見えますが、これは含リンアミノ酸系除草剤であるグリホサートです。
有機リン系農薬との違いは、リン酸エステルかリン酸基です。
このことを知っていないと迷ってしまいますね。
最後に3なのですが、これはサリンであり農薬ではありません。
サリンの特徴としてFがついています。
Fがついていると化学的に安定になり、作用が上昇します。
そのためサリンは毒性が強く、危険性も高いです。
このように構造式はポイントを絞れば簡単に覚えることができます。
またアウトプットの方法としてQuizletなどのフラッシュカードを使うことをおすすめします。
一度作成すればスキマ時間に学習できるので活用しましょう。
またQuizletでは私が作ったものもあります。
見たい人がいればTwitterなどで連絡してください。
スキマ時間に語呂合わせ
どうしても覚えられない内容や理解しようもない内容は語呂合わせがオススメです。
一番は自分で作ることです。
自分で作ればまず忘れないでしょう。
って人はネットで探してみましょう。
語呂合わせは多くの人が作成しており、自分に合ったものを選びやすいです。
中でもおススメなサイトは「べんぜんの部屋」です。
毎日語呂合わせを投稿しているのでチェックしておきましょう。
薬理の勉強法
薬理も覚えることが多く、暗記が苦手な人は少し大変かもしれません。
しかし薬理の知識をおろそかにすると国家試験合格への道が遠ざかります。
なぜなら薬理の知識は他の科目と連動しているので知識不足だとと解けないことがあります。
逆に考えると薬理の知識があれば病態や実務も学ぶことができるのでコスパはいいです。
薬がみえる本を使い、理解を深める
わからないことがあったり、体系的に学びたい場合は薬がみえるをオススメします。
青本でもいいのですが、薬の情報が少なく周辺知識を学ぶにはすこし心もとないです。
一方薬がみえるは図やイラストが豊富でわかりやすく、類似薬の違いも学ぶことができます。
薬剤師としての知識も学べるので薬がみえるはかなりオススメですね。
青本は復習の際に使うと便利かもしれません。
お金があれば病気が見えるシリーズも一緒に買うことをオススメします。
薬がみえると病気がみえるを使えば臨床関係の問題は調べれば解決します。
覚えにくいところはマインドマップを使う
衛生でも言いましたがマインドマップはかなりオススメです。
とくに薬理や病態はマインドマップの相性がいいです。
これは消化性潰瘍のマインドマップです。
マインドマップにまとめると病態と薬の関係性がわかりやすくなり、知識の定着度も上がります。後で復習する際にも便利です。
私が作っているマインドマップを見たい人はインスタグラムかTwitterを参考にしてください。
構造式の問題もしばしばでてくる
105回では薬物の構造と薬理活性に関する問題が出題されました。
今後も構造式をみて判断しなければならない問題も増えていくと思います。
構造式のポイントは衛生の項目で紹介したように一部分をよくみることです。
先ほどの問題を例に解説していきます。
まず1位と2位の炭素原子間が二重結合になっていることにきづきましょう。
二重結合になると糖質コルチコイド作用が上昇し、鉱質コルチコイド作用が低下します。
またF原子がついているため糖質コルチコイド作用が上昇します。
Fがつけば作用が強くなるって覚えてもいいかもしれません。
あと覚えておいてほしいのがあります。
それは、糖質コルチコイド作用には11位にOH基が必要なことです。
上記のことを知っていれば正答を絞り出すことができます。
薬ゼミ解答1、4。
といってもすべての問題が構造式から出題されているわけではないので、点数を伸ばしたい人は勉強しましょう。
構造式関連の問題はすべての分野ででるので積極的に勉強しておきましょう!
余力があれば最近発売された新薬について調べておこう
ここからは+αの勉強法です。
105回の試験では最近発売された便秘薬が2種類出題されました。
104回の試験では2018年に承認されたインフルエンザ治療薬のゾフルーザが出題されました。
このように薬剤師国家試験では毎年新しい薬が出題されるので日々の情勢をチェックしておくことも重要です。
- 基本は問題演習
- 深く学びたい場合は「薬がみえる」がおすすめ
- 医薬品の最新情報も逐一チェックしておこう
薬物治療の勉強法
病態・薬物治療も薬理と同じかそれ以上に覚える量があります。
特に最近は代表8疾患(がん、高血圧、糖尿病、心疾患、脳血管疾患、精神神経疾患、免疫・アレルギー疾患、感染症)から多く出題される傾向にあります。
8疾患といわれると結構少ない印象があると思います。
しかしがんといっても、白血病や肺がん、消化器がんなど他にも多くあります。
より具体的な内容を知りたい人は下記のPDFを参照してください。
http://www.jshp.or.jp/cont/18/0222-1-3.pdf
代表8疾患をすべて理解するにはかなりの時間が必要です。
まずは自分が取り組みやすい病気を選んで勉強しましょう。
薬がみえるを使い、理解を深める
問題を解いていたり、青本を読んでも理解できないところは薬がみえるシリーズを使って理解を深めましょう。
薬がみえるシリーズは薬について詳細に書かれているのですが、病態についてもイラスト付きで紹介されています。
薬理の勉強にもなるのでオススメです。
さらに知識を深めたいなら病気がみえるシリーズを使う
もっと病気のことを知りたい人や周辺知識も覚えたい人は病気がみえるシリーズをオススメします。
病気がみえるシリーズも薬がみえると同じように画像やイラストが豊富で直感的に理解しやすいです。
薬がみえるシリーズと一緒に勉強すれば薬と病気の関連性を知ることができるので相乗効果があります。
ただ全シリーズをそろえると3万円以上するので注意してください。
どっちか迷ったら薬がみえるシリーズをオススメします。
マインドマップを使い、関連性を見つける
薬理の勉強法でも言いましたが、マインドマップを使った勉強法をオススメします。
病態・薬物治療と薬理は関連度が高いのでマインドマップを使えば記憶しやすくなります。
まずは代表8疾患をマインドマップにまとめるのもいいですね。
そこから症例毎にテーマを決めて自分なりのマインドマップにするものいいでしょう。
統計や検定も忘れずに
忘れがちですが、統計や検定の勉強もしておきましょう。
105回の試験でも検定方法や学術論文から出題したものもありました。
統計や論文の読み方を勉強しておくと、問題文の意図をつかみやすくなります。
余裕があれば普段から論文を読む習慣をつけるのもいいかもしれません。
【応用編】症例問題を多く解く
昔の国家試験では短文形式の問題が多く、知識力を試す問題がメインでした。
しかし最近の国家試験では、症例解析など長文の問題が多く出題されるようになりました。
そのため普段から症例解析の問題をなるべく多く解きましょう。
私が使った本は「PROGRESS症例解析演習―最適薬物治療へのアルゴリズム」です。
本書は学校の授業で使っていたので使いました。
しかしわざわざ買って勉強する必要はありません。
薬ゼミなどの予備校などで問題演習プリントをもらえると思うのでそちらで十分でしょう。
【応用編】読解力をつける
105回の国家試験では長文の問題が多く出題されました。
そのため短い時間で要点を把握する読解力が必要になります。
読解力は一朝一夕で身につく力ではありません。
読解力を身につける方法として最も大事なのは本を読むことです。
勉強の息抜きとして毎日読書をすれば自然と身に付きます。
読むジャンルはなんでもいいと思います。
自分の好きな本を読むことから始めましょう。
余力があれば少し難しい本を読んだりすれば読解力はかなり身に付きます。
- 基本は問題演習
- 薬がみえるや病気がみえるシリーズを使い、周辺知識を身につける
- 症例問題を多く解く
薬剤の勉強法
薬剤はTDMなどの計算問題と製剤学などの暗記科目の2種類に分けられます。
計算問題が苦手な人にとって薬剤はかなりの難敵でしょう。
そこで今回は薬剤の基礎的な勉強法の流れと、計算問題の習得方法などについて紹介していきたいと思います。
計算問題は順序立てて解く
私は計算問題が大の苦手でした。
特に薬剤の計算問題ははじめのころほぼ0点に近かったです。
しかし国試前までには1問以外すべて正解することができました。
ここでは私が使った問題集とやった方法を紹介したいと思います。
問題演習として薬ゼミの計算問題集を使うことがオススメです。
なぜなら名前の通り計算問題が多数出題されているからです。
具体的にいえば、物理や衛生、薬剤、実務など計算関係の問題はすべてそろっています。
計算問題は多く解いて型をみにつけることが重要なのでできるだけ多くの問題を解きましょう。
解説もあるのですが、もし理解できそうになかったら次の項目で紹介する青本や教科書を使いましょう。
計算問題を解いていてわからないところがあれば、青本や教科書を使っていました。
薬物動態やTDMの基礎知識を学ぶために使った本は青本と第3版臨床薬物動態学です。
第3版臨床薬物動態学はかなり詳細に薬物動態やTDMの計算方法などが書かれており、疑問点はほぼすべて解決できます。
図やイラストも結構あるので視覚的に理解しやすいのも特徴です。
しかし分量が多く、初学者が1から勉強するには時間がかかりオススメできません。
基礎知識をつけるときは青本を使い、青本でもわからないところはなどの教科書を使って調べるのがオススメです。
製剤学はマインドマップでまとめる
製剤学の基礎知識は暗記系が多いですね。
マインドマップやQuizletなどで単語帳にして覚えるのが効率がいいです。
マインドマップにすることで関連性を見つける癖がつくので長文問題や図から読み解く問題に役立ちます。
自分なりのオリジナルマインドマップを作って知識をつけるといいですね。
- 計算問題は多くの問題を解いて型をみにつけよう
- 製剤学はマインドマップなどでまとめて覚えよう。
法規の勉強法
正直法規は秋以降でも大丈夫
ぶっちゃけ法規は秋以降から勉強しても間に合います。
なぜならほかの科目と比べても量が少なく、暗記がメインだからです。
ここで青本の薬理と病態、法規のページ数も比較してみましょう。
薬理…1096ページ
法規…632ページ
病態…1112ページ
これを見てわかるように400ページも少ないことがわかります。
また過去問と類似した問題も多く出題されているので過去問演習をしておけば結構いけます。
あと注意点で他の科目では国試がわかる本をオススメしていたのですが、法規ではオススメしていません。
なぜなら法規に関しては更新頻度が高いからです。
国試がわかる本は2017年以降出版されていないのでそれ以降の法律関係は網羅されていません。
国試がわかる本をやって偏った知識になるぐらいなら青本を読み込んだ方がいいでしょう。
実際法規に関しては青本をしっかりやりました。
過去問演習と青本演習を終えればひとまず法規の勉強を終わらせてもいいですね。
あとは模試で間違えたところを復習したり、予備校に通っている人は予備校での復習をしておきましょう。
あとはこんな感じにマインドマップでまとめるとわかりやすいですよ。
直前期に総復習しておく
法規は直前期にやるのが一番いいかもしれません。
薬ゼミの要点集や直前講習会のプリントを使って総復習しておけば法規の全体像を把握できます。
あとはマインドマップをつくっているのであれば一緒に復習しておきましょう。
最悪法規の勉強は、直前講習会のプリントと要点集だけでもいいかもしれませんね
実務の勉強法
実務の勉強は薬理と病態とセットに勉強する。
実務に関しては薬理と病態と一緒に勉強しておきましょう。
なぜなら105回の国試では薬理と病態と密接に関連した問題が多く出題されていたからです。
実務と薬理、病態は相互作用しているので1つを学べば複数のことを学べます。
3科目の基礎がしっかりついていれば高得点は狙えるのでコスパがいいです。
逆に知識が偏ってしまったり、基礎が抜けていると3科目とも点数が落ちてしまうという危険性もあります。
要するに薬理と病態と実務が得意なら高得点を目指せて、逆に苦手だと点数が伸び悩む可能性もあります。
この3科目は国試においても最重要なのでしっかりと勉強しておきましょう。
オススメはマインドマップ。
つながりを見るけることもできるし、復習にも役立つのでマインドマップはいいですね。